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名著ビジョナリーカンパニーの要約と嘘~試行回数のみが成功確率を上げていく~

皆さんこんばんは。

今回は、ビジョナリーカンパニーという著書を題材とします。

成功する企業には法則があり、それはビジョンの一致によりもたらされるという本です。

成功して長く業界トップで居続けられる企業を作っていくためには、

何が必要なのか、それらは模倣できるものなのかという疑問に対して、

ビジョナリーカンパニーの要約と、反対意見を交えて記載しています。

 

ビジョナリーカンパニー「ジムコリンズ」

ビジョナリーカンパニー「ジムコリンズ」

 

 

本記事を読むべき方

本記事は、下記のような状況にある読者の方にとっては最も役に立つ記事になっております。

ビジョナリーカンパニーという分厚い本の内容を5分以内にインプットしたい方

ビジョナリーカンパニーを読んだが、内容がしっくりこなかったという方

何らかの集団に交じって仕事をしており、他の集団よりも圧倒的な結果を出せないか苦悩している方

※本記事は5~10分で読了できるほどの量にまとめております

 

ビジョナリーカンパニーを知るべき理由

先進的な企業に共通している特徴を知ることができる

ビジョナリーカンパニーというのは、本著による造語です。

ただ、本著で取り上げられている企業はすべて長い間存続し、

業界のトップになるほどの企業に絞られています。

業界2、3位の企業ではなく、トップの企業に絞られた分析がされている著書はほかにあまり見かけません。

トップ企業に共通する概念や行動原理などをよく整理された本になっています。

本記事の副題では本著に対する否定的な内容を取り上げられていますが、

事実として、共通する部分を知るということには何らかの価値があるのではないでしょうか。

 

 

卓越した企業を築く方法は模倣できることが理解できる

「ビジョナリーカンパニー」の文頭、謝辞で書かれていることになりますが、

この本の著者は、この記事を読んでいる読者の方もそうだと思いますが、

卓越した成功を収めた企業はラッキーであり、模倣することは難しいと考えていました。

この考えは事実ではありますが、本著「ビジョナリーカンパニー」では、

模倣することが、どのような管理者でも可能であるという結論を出しています。

どういった経緯でこの結論が出されたのか、さらに名著として多くの人の賛同を得られている内容という点で、一見の価値があるはずです。

 

 

ビジョナリーカンパニーの要約

本著はかなり分厚く、読むにあたっては他の本よりも少し労力が必要です。

要約すると、主張していることは至ってシンプルです。

まだ読んだことのない方は是非一読をおすすめします!

 

ビジョナリーカンパニーとは?

シンプルに表現すると、ビジョン(未来志向)をもっている会社と表現できますが、

それは間違っています。

未来志向、先見的、業界で圧倒的な結果を出している、同業他社からの尊敬を集めているなどの要素をすべて持ち、

実際に、今日まで世界に大きな影響を及ぼし続けてきた企業を指しています。

 

再現性のない、カリスマ的なリーダーの特徴を羅列したような内容ではなく、

ビジョナリーカンパニーでは組織を対象にしていることが強く強調されています。

 

さらに、業界の中でトップの企業のみをビジョナリーカンパニーとして定義し、

2、3位の企業は成功しているが、ビジョナリーカンパニーではないと明示され、

あくまでも業界をけん引していくような企業であるということが主張されています。

 

 

すばらしいアイデアは必要ない、むしろそれ自体が悪いアイデアかもしれない

 卓越した結果を残す企業は、卓越したアイデアを持った企業であるという想像をする方は多いでしょう。

本著では、それは間違っていると主張されています。

ビジョナリーカンパニーとして調査された企業の中で、

最初から卓越したアイデアを持ってはじめられた企業は少ないという調査結果を出しています。

企業として早い時期に成功することと、ゆくゆくビジョナリーカンパニーとして成功するということは、

逆相関しているという風に述べられています。

 

具体的には、調査対象のビジョナリーカンパニーのうち、

早い時期から成功した企業は、ジョンソン&ジョンソン、ゼネラル・エレクトリック(GE)、フォードの3社。

 

ちなみに、調査対象となった企業は下記の通りです。

・ビジョナリーカンパニー

3M

アメリカン・エキスプレス

ボーイング

シティコープ

フォード

GE

ヒューレット・パッカード

IBM

ジョンソン&ジョンソン

マリオット

メルク

モトローラ

ノードストローム

プロクター&ギャンブル

フィリップモリス

ソニー

ウォルマート

ウォルト・ディズニー

 

・比較対象企業

ノートン

ウェルス・ファーゴ

マクダネル・ダグラス

チェース・マンハッタン

GM

エスチングハウス

テキサス・インスツルメンツ

バローズ

ブリストル・マイヤーズ

ハワード・ジョンソン

ファイザー

ゼニス

メルビル

コルゲート

R・J・レイノルズ

ケンウッド

エームズ

コロンビア

 

カリスマ的指導者は必要ない

会社の基礎をつくるうえでは、世間の注目を集めたり、強烈なリーダーシップをもつような、

カリスマ的な指導者は不必要であるとの結論が述べられています。

ビジョナリーカンパニーでは、草創期に強力な指導者がいるのではなく、

優秀な経営者が引き続き出てくるように経営の継続性が保たれています。

組織として、指導者候補を引き寄せて、社内で育成でき、

経験を積むことで、優秀な指導者を選出する能力が備わっています。

 

例)

ゼネラル・エレクトリックのCEOであった、ジャック・ウェルチはカリスマ的だと見て取れますが、生え抜きのゼネラル・エレクトリック社員であり、

組織の中で見いだせれ、育っていったと記載されています。

ジャック・ウェルチの在任中は、無慈悲な解雇により、組織を守るような経営、

厳しいノルマを課しての人材育成などがされていたことが有名です。

ただ、厳しいノルマを課すことでの人材育成は今ではゼネラル・エレクトリック社内でもすたれており、

ここからも組織自体に時代に合って変化していくような能力が備わっていると読み取れます。

 

 

正しい理念はない

ビジョナリーカンパニーになるための、正しい理念はあるのか。

こういった問いに対してもビジョナリーカンパニーの理念を比べて、

正解はないということが語られています。

前述したビジョナリーカンパニーとして比較した企業の中に、

似たような理念をもつものもあれば、正反対のことを主張する企業もあることがわかっています。

 

例)

①ジョンソン&ジョンソン、ウォルマートは顧客を理念の柱にしているが、

ソニーやフォードは顧客本位ではなく、提案していくスタイルを貫いている。

 

②HP、マリオットは、従業員へ配慮を欠かさないということを理念の柱としているが、

ノードストローム、ディズニーはそうではなく、従業員は顧客に配慮を尽くすという点を理念としている。

など

 

 

 

利益以上に大切しているものがビジョン

 

ビジョナリーカンパニーは「OR」ではなく、「AND」を求めていくことが多いという切り口から語られているのがこの項目です。

「株主の意見を尊重し、株主利益を最大限に高めること」、「利益を最大限に高めること」は、ビジョナリーカンパニーでは目標や大きな原動力になっておらず、

それと同じく、あるいは同等以上に、基本理念を大切にする力が比較対象企業よりもはるかに強いということが調査にてわかっています。

 

例)

ボーイングVSマクドネル・ダグラス

ボーイングには、マクドネル・ダグラスと比べると、自社のアイデンティティーの理想像を追求することをより重視する傾向がとれます。

ボーイングの社員は自分たちが携わっているプロジェクトの投資収益すら頭にはいっておらず、

航空機技術のパイオニアになるために、大きて、速く、性能が高い最先端の航空機をつくることに没頭します。

そうした理念をもって企業活動をつづけた結果、利益率は競合であるマクドネル・ダグラスをしのぎます。

以下、著書で紹介されているCEO「ビル・アレン」の引用。

ボーイングは常に明日へ飛躍しようとしている。寝食を忘れて仕事に没頭する者だけが、明日へ飛躍できる。仲間は、知識が豊富で、献身的で、航空学の世界に寝食を忘れて没頭している大きな集団である。

人間の目標は、もっと大きな目的を果たし、もっと大きな仕事をする機会を得ることであるはずだ。人生最大の喜びとは、困難で建設的な仕事に携わったり、それから得られる満足感である。

 

基本理念を維持し、進歩を貪欲に求める

 

基本理念はビジョナリーカンパニーならば共通して必要な要素であることは前述したとおりです。

ただし、変化をやめてしまうと世界から取り残されることになります。

一度成功したからといって、その事業を続けるわけではなく、

理念を慣行や、慣習と誤解してそれを続けるようなことはしていません。

このマインドは、企業として順調な時にも変わらず、変化、進歩を求めていることがわかります。

 

例)

ヒューレットパッカードでは、「従業員を尊重し手配慮する」という方針は基本理念であり、変わりませんが、

毎日午前十時に果物とドーナツを配るのは慣習・慣行であるため、変わることがあります。

②「航空技術の最先端を担い、パイオニアになる」というボーイングの基本理念であり、変わりませんが、

ジャンボ・ジェット機の開発・製造に投資をすることは戦略でしかないので、変化します。

 

社運をかけた大胆な目標がある

ビジョナリーカンパニーである企業は、破滅的だとも思われるような大胆な目標を掲げ、

それらを乗り越えているという点が共通点としてあります。

具体的かつ、理念にそい、社員のやる気がでるような目標とも言えます。

 

例)

下記の二通りの目標を見ていただけると、一目瞭然かと思います。

・わかりにくい目標

エスチングハウス

 トータル・クオリティ

 市場のリーダー

 技術主導

 グローバル

 焦点を絞った成長

 多角化

 

・ビジョナリーカンパニーの大胆な目標

ゼネラル・エレクトリック

 参入したすべての市場で一位、または二位になる。

 当社を中小企業のスピードと機敏さを持つ企業に変革する。

 

カルトのような文化をもつ

ビジョナリーカンパニーは、誰にでも働きやすい職場というわけではありません。

基本理念は言うまでもなく、従業員の考え方や、性格、目標など、

あらゆる企業活動において達成する内容が明確に決められています。

したがって、基準に沿わないような従業員が入る隙間はないようになっています。

 

例)

大型百貨店チェーンである、ノードストロームの社員に話を聞くと、

こんなに素晴らしい職場はないと口をそろえているが、

新年度入社者の50%はやめるという実態があります。

基本理念通りの、厳しいノルマ、徹底した行動管理は、

猛烈に働き続けるという事を美徳としています。

それに沿えない社員は、退社せざるを得ない状況となるような企業になります。

 

 

大量のものを試して、うまくいったものを残す

ビジョナリーカンパニーで成功した事業などは、先見性を持って、

戦力的であり、計算された結果であろうと筆者は想定していたそうです。

しかし、調査を進めていくにあたって、そうではないという結論を出しています。

もちろん戦略的に成功した事業は多々ありますが、それだけではなく、

各社で成功した事業は偶然の産物である場合も存在したとのことです。

わざわざ、「意図的に」偶然を作っているような傾向も見られた点は、

非常に興味深い結果であると感じています。

偶然に生まれる、現実の穴を埋めるような事業やモノ・サービスに注意深く観察し、

時には広げていくことも重要であると読み取れます。

偶然にということは、それだけ試行した回数も多いということにもなります。

多くを素早く試行し、世に出していける企業は強いと感じますね。

 

例)

ジョンソン&ジョンソンは、意図してベビーパウダーを商品としたわけではありません。

当時、消毒用のガーゼと絆創膏が主力製品だったジョンソン&ジョンソンですが、

あるとき、それらの絆創膏が患者の皮膚に対して炎症を起こすことを示す内容でクレームがありました。

その対策として、スキンパウダーをクレーム元に送ったところ、

評判がよくなり、継続的に発注されるようになり、他の消費者からも直接取り寄せられることも増えていきました。

このように、まったく計画外であっただろう商品も会社の主力製品となることがあると読み取れます。

 

決して満足しない仕組みを持つ

ビジョナリーカンパニーで大切にされていることは、単純に、「明日はどう行動すれば、今日よりもうまくやれるか」ということであることが本項目です。

それは、個人の自分自身に対して極めて高い要求を出し続け、クリアしていくことを継続していけるかというところに関わってきます。

組織から個人に目が向いてしまってようにありますが、

組織としても、そのように仕向けるような仕組みが存在することが多いです。

 

例)

ボーイングでは、社員の不安感を生み出すため、競合の視点で考える戦略がとられている部分があります。

競合の視点でボーイングを見ることで、どの分野の参入障壁なら越えられそうか、

弱点はないかを考えて、ボーイング自身の戦略に落とすという考え方です。

 

 

 

下記は、本文中でもわかりやすく説明されている、

偏見と事実について述べられているものです。

ご参考に、時間がある方は覗いていってください。

原文のまま、引用で記載しています。

 

有名な十二の崩れた神話(嘘)

 

本著でも序盤に記載されている、十二の崩れた神話をご紹介しておきます。

成功した企業に対する概念がもしかしたら覆る方もいらっしゃるかもしれません。

 

神話(嘘)1 先進的なアイデアが必要?

 

すばらしい会社をはじめるには、すばらしいアイデアが必要である。

現実1

「すばらしいアイデア」を持って会社をはじめるのは、悪いアイデアかもしれない。ビジョナリーカンパニーには、具体的なアイデアをまったくもたずに設立されたものもあり、スタートで完全につまずいたものも少なくない。さらに、会社設立の構想に関係なく、設立当初から成功を収めた企業の比率は、比較対象企業よりビジョナリーカンパニーのほうがかなり低かった。ウサギとカメの寓話のように、ビジョナリーカンパニーはスタートでは後れをとるが、長距離レースには勝つことが多い。

 

神話(嘘)2 カリスマ的指導者が必要?

ビジョナリーカンパニーには、ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である。

現実2

ビジョナリーカンパニーにとって、ビジョンを持ったカリスマ的指導者はまったく必要ない。こうした指導者はかえって、会社の長期の展望にマイナスになることもある。ビジョナリーカンパニーの歴代のCEO(最高経営責任者)のなかでもとくに重要な人物には、世間の注目を集めるカリスマ的指導者のモデルにあてはまらない人もおり、むしろ、そうしたモデルを意識した避けてきた人もいる。憲法制定会議に集まったアメリカの建国者のように、偉大な指導者になることよりも、長く続く組織を作り出すことに力を注いだのである。時を告げるのではなく、時計をつくろうとしたのだ。そして、この志向は比較対象企業のCEOよりも強い。

 

神話(嘘)3 利益が最大の目的?

とくに成功している企業は、利益の追求を最大の目的としている。

現実3

ビジネス・スクールの教えに反して、「株主の富を最大限に高めること」や「利益を最大限に増やすこと」は、ビジョナリーカンパニー大きな原動力でも、最大の目標でもない。ビジョナリーカンパニーの目標はさまざまで、利益を得ることはそのなかのひとつにすぎず、最大の目標であるとはかぎらない。確かに、利益を追求してはいるが、単なるカネ儲けを超えた基本的価値観や目的といった基本理念も、同じように大切にされている。しかし、不思議なもので、利益を最優先させる傾向が強い比較対象企業よりも、ビジョナリーカンパニーの方が利益をあげている。

 

神話(嘘)4 基本的価値観に正解はあるのか?

ビジョナリーカンパニーには共通した「正しい」基本的価値観がある。

現実4

ビジョナリーカンパニーであるための基本的価値観に、「正解」と言えるものはない。ビジョナリーカンパニーのうち2社をとってみると、対照的とも言えるほど理念が違っているケースもある。ビジョナリーカンパニーの基本的価値観は、「洗練されたもの」や「人道的なもの」であることが多いが、そうである必要はない。決定的な点は、理念の内容ではなく、理念をいかに深く「信じて」いるか、そして、会社の一挙一動に、いかに一貫して理念が実践され、息づき、現れているかだ。ビジョナリーカンパニーは、「何を価値観とするべきか」と問いを立てることはない。「われわれが実際に、何よりも大切にしているものは何なのか」という問いを立てる。

 

神話(嘘)5 変わり続けること?

変わらない点は、変わり続けることだけである。

現実5

ビジョナリーカンパニーは、基本理念を信仰に近いほどの情熱を持って維持しており、基本理念は変えることがあるとしても、まれである。ビジョナリーカンパニーの基本的価値観は揺ぎなく、時代の流れや流行に左右されることはない。基本的価値観が百年をはるかに超えて変わっていないケースすらある。ビジョナリーカンパニーの基本的な目的、つまり、存在理由は、地平線の上で輝き続ける星のように、何世紀にもわたって、道しるべになることができる。しかし、ビジョナリーカンパニーは、基本理念をしっかりと維持しながら、進歩への意欲がきわめて強いため、大切な基本理念を曲げることなく、変化し、適応できる。

 

神話(嘘)6 リスクは最小限に抑える?

優良企業は、危険を冒さない。

現実6

ビジョナリーカンパニーは、外部からみれば、堅苦しく、保守的だと思えるかもしれないが、「社運基本理念を掛けた大胆な目標」に挑むことをおそれない。高い山に登ったり、月に飛び立つように、こうした目標はおそろしく、おそらくリスクも大きいだろう。しかし、胸おどるような大冒険だからこそ、人は引きつけられ、やる気になり、前進への勢いが生まれる。ビジョナリーカンパニーは、この目標をうまく使って進歩を促し、過去の重要な局面で、比較対象企業を打ち破ってきた。

 

神話(嘘)7 入社すればみなが幸せになれる企業?

ビジョナリーカンパニーは、だれにとってもすばらしい職場である。

現実7

ビジョナリーカンパニーは、その基本理念と高い要求にぴったりと「合う」者にとってだけ、すばらしい職場である。ビジョナリーカンパニーで働くと、うまく適応して活躍するか(それ以上にないほど、幸せになるだろう)、病原菌か何かのように追い払われるかのどちらかになる。その中間はない。カルトのようだとすら言える。ビジョナリーカンパニーは、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、厳しい基準に合わせようとしなかったり、合わせられない者には、居場所はどこにもない。

 

 

神話(嘘)8 戦略こそがすべて?

大きく成功している企業は、綿密で複雑な戦略を立てて、最善の動きをとる。

現実8

ビジョナリーカンパニーがとる最善の動きのなかには、実験、試行錯誤、臨機応変によって、そして、文字通りの偶然によって生まれたものがある。後から見れば、じつに先見の明がある計画によるものに違いないと思えても、「大量のものを試し、うまくいったものを残す」方針の結果であることが多い。この点では、ビジョナリーカンパニーは、種の進化によく似ている。ビジョナリーカンパニーのような成功を収めようとするなら、チャールズ・ダーウィンの「種の起源」の概念のほうが、企業の戦略策定に関するどんな教科書よりも、役に立つ。

 

神話(嘘)9 変革には社外CEOが有効か?

根本的な変化を促すには、社外からCEOを迎えるべきだ。

現実9

ビジョナリーカンパニーの延べ千七百年の歴史のなかで、社外からCEOを迎えた例はわずか四回、それも二社だけだった。ビジョナリーカンパニーは比較対象企業と比べて、社外の人材を経営者として雇用する確率が六分の一しかなかった。根本的な変化と斬新なアイデアは社内からは生まれないという一般常識は、何度も繰り返し崩されている。

 

神話(嘘)10 競争に勝つことが大切か?

もっとも成功している企業は、競争に勝つことを第一に考えている。

現実10

ビジョナリーカンパニーは、自らに勝つことを第一に考えている。これらの企業が成功し、競争に勝っているのは、最終目標を達成しているからというより、「明日にはどうすれば、今日よりうまくやれるか」と厳しく問い続けた結果、自然に成功が生まれてくるからだ。そして、この問いかけを生活の習慣にして、ずっと続けてきた。百五十年以上も続けている。ケースもある。どれほど目標を達成しても、どれほど競争相手を引き離しても、「もう十分だ」とは決して考えない。

 

神話(嘘)11 トレードオフは絶対か?

二つの相反することは、同時に獲得することはできない。

現実11

ビジョナリーカンパニーは、「ORの抑圧」で自分の首をしめるようなことはしない。「ORの抑圧」とは、手に入れられるのはAかBのどちらかで、両方を手に入れることはできないという、いってみれば理性的な考え方である。しかし、ビジョナリーカンパニーは、安定か前進か、集団としての文化か個人の自主性か、生え抜きの経営陣か根本的な変化か、保守的なやり方か社運を賭けた大胆な目標か、利益の追求か価値観と目的の尊重か、といった二者択一を拒否する。そして、「ANDの才能」を大切にする。これは逆説的な考え方でAとBの両方を同時に追求できるとする考え方である。

 

神話(嘘)12 先見性がある企業が成功するか?

ビジョナリーカンパニーになるのは主に、経営者が先見的な発言をしているからだ。

現実12

ビジョナリーカンパニーが成長を遂げたのは、経営者の発言が先見的だからではまったくない(ただし、そのような発言は多い。)偉大な企業になったのは、今日、経営者の間に流行しているビジョン、価値観、目的、使命、理念などを書いたからでもない(しかし、これらを文章にしているケースは、比較対象企業より多いし、これが流行になる数十年前にそうしている)。これらを文章にすることは、ビジョナリーカンパニーを築くうえで、役に立つ一歩になり得る。しかし、ビジョナリーカンパニーでは、基本理念を活かすために、何千もの手段を使う終わりのない過程をとっており、これは、ほんの第一歩にすぎない。

 

 おわりに

今回の「ビジョナリーカンパニー」の要約記事はいかがでしたでしょうか。

なかなか、ビジョンという抽象的なテーマを扱っているので、

すぐに読者さんのお役に立つかどうかは不明ですが、知識としてインプットいただけていれば幸いです。

 

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